問診の難しさ、保護者への対応などの厳しい職場環境

少子化が進めば小児科医の数は少なくて済むのではないかという声もありますが、現実にはそんなことはありません。
というよりも、少子化が進むペース以上に、小児患者を診る医師の数が不足しているのです。
その理由は、やはりとても厳しい職場環境にありそうです。

小児科医は、当然ですが子供の患者さんを相手にする仕事。
大人と違い、子供が自分の気持ちや症状を上手く伝えるのは難しいもの。
小学校高学年から中学生くらいになれば意思表示も上手くできるようになりますが、その年齢の子供ばかりを相手にするわけにもいきません。

問診が難しいからこそ医師としての技術が試されます。
診察の結果から体内で何が起こっているのかを正確に判断しなければならず、それは容易なことではないでしょう。

子供の体はまだ完成していないため、詳しくわかっていない、あまり研究が進んでいない疾患や症状が出るケースも少なくありません。
そうした難しさも、この診療科目から医師を遠ざけている理由の一つです。

しかも、医師は子供ばかりではなく親などの保護者とも相対することになります。
親のメンタルのケアも必要ですし、モンスターペアレンツなどへの対応が求められることもしばしば。
これに嫌気が差し、別の診療科目へ転職してしまう医師も多数いるようです。

医師不足の現状があるにも関わらず給与額が低い

そんな小児科へ転科するとなれば、それぞれの医療施設も、そして社会全体も諸手を挙げて歓迎するでしょう。
医師不足が非常に深刻であると言われている診療科目ですから、それが少しでも解消し子供がその恩恵を受けられるとなれば、これほど大きな意義はありません。

ただ、求人事情を見ると、二の足を踏んでしまう医師も出てくると想像できます。
まず、給与額があまり高いとは言えません。
医師不足の現状があるにもかかわらず、例えば2000万円を超えるような求人を見つけるのは非常に難しく、給与のみにフォーカスするのであれば、望み通りの求人情報を手に入れることはできないでしょう。

子供はいつ病状が変化するかもわからないため、当直やオンコールは当たり前。
よほどの使命感を持っていなければ転科を考えるのは難しいのかもしれません。
また、小児外科を任せられる医師を多くの医療施設が募っているという求人事情もあります。
つまり、内科経験しかない医師が転科するのも現実的ではないでしょう。

以前よりは労働環境も良くなっているところが多いのですが、その内容や待遇などは転職前に今一度確認するようにしてください。